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福島県富岡町に1日限りのミュージアムMOCAF 震災から10年を迎える時刻に開館

MOCAF(モカフ)イメージ

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 福島県富岡町にコンテンポラリーアートミュージアム「MOCAF(モカフ)」が、3月11日限定でオープンする。手がけるのは、いわき市出身のアートディレクター・緑川雄太郎さんをはじめとする、いわき市、富岡町出身の有志4人。東日本大震災発生から丸10年となる、2021年3月11日14時46分から16時までのみ開館する。

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 モカフは、富岡町内の住宅跡地(富岡町中央1丁目83)に設置される、回転扉のみのミュージアム。2018年、緑川さんに、町外で避難生活をしている土地の持ち主から「家を解体した後の土地をアートとして活用したい」と打診があった。緑川さんにも、2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故をきっかけに、福島に現代アートに特化した美術館を作ってみたいという構想があった。プライベートミュージアムとしてできる範囲、そしてタイミングを熟考し、震災10年を迎える、まさにその時間に開館する「ミュージアムの回転扉」という形が生まれた。

 富岡町は、震災と原発事故の影響で警戒区域に指定され、2017年4月1日に避難指示が解除(一部帰還困難区域を除く)されるまで7年間立ち入りが制限されていた。モカフの土地主にとっては故郷でもある富岡町に、震災から10年たったタイミングで足を運ぶ人たちは、町の今の景色を見て、地域の現状や背景に、否が応でも思いをはせることになる。そういった土地で、ミュージアムの回転扉を「自身の手で回す」という体験で、感じるものを持ち帰って欲しいという。「扉は、入る場所であって、出る場所でもある。いつ入って出るのかは自分で決められる。震災後、特に福島では閉塞感を感じることが多く、アートで風穴を開けたい、という気持ちはずっとあった。個人的には『希望の扉』としてつくったが、扉を出たときに、それぞれが『どこか』に行けるような気持ちになってもらえたら」と緑川さん。

 開館時間内は、富岡町指定文化財「大原本店旧店舗」(富岡町中央1丁目62)近隣の、指定された空き地を駐車場として利用できる。

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