福島県川内村の高塚高原キャンプ場(上川内高塚山)で6月13日、東日本大震災以来10年ぶりとなる「かわうち高原ドウダン祭り」が開催された。約200人が来場し、ソロキャンプ好きの芸人として知られるヒロシさんのトークショー、高塚遊歩道を巡るスタンプラリーなどが行われた。
シャトルバスで20分ほど山道を登って到着する会場は、標高約1000メートルの位置にある。薄曇りながら過ごしやすい気候となった当日は、川内村の花である色とりどりのサラサドウダンが遊歩道のあちこちに咲き誇り、来場者の目を楽しませた。震災前は、祭りでもドウダンツツジが販売されるなど、村の人たちにはなじみの祭りだったという。
ゲストのヒロシさんのソロキャンプのユーチューブチャンネルは110万人のフォロワーがおり、キャンプ場での2回のトークショーには村民など延べ120人が参加した。ヒロシさんと、同じく芸人のべアーズ島田キャンプさんとの2人で、共通の趣味であるキャンプの話題で会場を盛り上げた。10歳の観客からの「キャンプを始めたきっかけは?」という質問には、「小さいころ、庭に蚊帳をつるしてキャンプのようにしていた」ことや、大人になってキャンプを始めてからは、自分用のキャンプギア(用品)を作りたくなって道具をプロデュースしていること、実際に使っているタープを観客と共に組み立てるなど、会場を巻き込みながらキャンプの楽しさを伝えた。同村で真冬に行っている「極寒キャンプ」を観客から紹介されると驚いた様子を見せ、「(真冬のキャンプに参加するなんて)将来有望」と声を掛ける場面も。最後にはじゃんけん大会で、べアーズ島田キャンプさん私物ののこぎりを来場者に進呈した。
会場となった高塚高原のオートキャンプ場は、管理棟や公衆トイレの整備が完全ではないため、公式にはオープンしていないが、フリーキャンプとして利用することは可能だという。同村内の体験交流館「いわなの郷」(上川内炭焼場)では、キャンプ(テント持ち込み1泊1張り1,100円~)、コテージ泊(5人用1棟1万円、大人1人2,000円~)も整備され、コロナ禍でキャンプ人口が増えているという。