いわきのラーメン店「創作麺 やま鳶(とんび)」(いわき市平作町1)が夏休みの間、小学生以下の子どもたちに地元産の食材を使ったハーフサイズのラーメンと肉ご飯を低価格で提供する「子ども食堂」を行っている。
同店のメニューは、地元いわき市産、福島県産の食材にこだわり、無添加、化学調味料不使用。今回の子ども食堂用の「ハーフラーメン」(150円)と「お肉ご飯」(100円)は店内限定の提供。ラーメンは、スープの濃度や温度を子ども用に調整して全部飲んでも問題ないようにしたほか、肉ご飯には県産の麓山高原豚を使い甘めのタレで仕上げた。
「子どもたちに地元産の食材のおいしさ、こだわった本格派のラーメンの味を知って楽しんでほしいと思い企画した」と話すのは、同店を夫婦で経営する曲山真美さん。「小さいころに味わったものは一生もの。食材本来の味や、食べ始めから食べ終わるまでのスープの味の違いなどを楽しみながら、福島っていいところだなぁと感じてもらえたら」と来店を呼び掛ける。
店主の曲山修太さん、真美さん夫婦は共にいわき市出身で、東日本大震災後にUターン。修太さんは料理人として、真美さんはいわき市の観光大使「いわきサンシャインガイド」として地元いわきの魅力を伝える活動をする中で、地元食材の豊かさ、それがうまく伝わらない風評被害の現実などに直面した。地元のために貢献したいと2017(平成29)年、同店を開業。2019(平成31)年4月に現在の場所に移転オープンしてからは、カフェスタイルのラーメン店として、地元食材と空間を大事にした営業を続けている。同店の前が小学校の通学路となっているため、子どもたちに地元の味を提供しようと「子ども食堂」のアイデアが浮かんだという。
営業時間は11時~20時。火曜定休。新型コロナウイルス感染予防のため、現在は客席を半分の17席ほどにして営業。「子ども食堂」の営業は8月31日まで。