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南相馬の新名物目指す「野馬土手カレー」提供開始

野馬土手カレーを販売する豊田さん(中央)

野馬土手カレーを販売する豊田さん(中央)

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 JR常磐線原ノ町駅前のホテル「ラフィーヌ」(南相馬市原町区旭町2)の駐車場で3月中旬から、同市の新名物を目指す「野馬土手カレー」が提供されている。黄色のキッチンカーとのぼり旗が目印だ。

中央の大きなタマネギが目を引く「野馬土手カレー」

 このカレーライスは豊福ファーム(原町区馬場欠下)の豊田雅夫さんが開発・販売している。神奈川県出身の豊田さんは2011年、南相馬市の農業復興のために農業経営コンサルタントとして関わり、タマネギの産地化を提案した。タマネギは放射性物質を吸収しにくく、農業の担い手が不足するなかで機械化による大規模農業が可能だったためだ。

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 2013年3月より地元農家とタマネギの試験栽培を始め検証を重ねてきたが、協力農家が他の作物で営農再開を目指すことになったため豊田さん自身が農業を行うことに。農業経験は無かった豊田さんだが、1年間、北海道や長崎のタマネギ農家で修業し、2016年に3ヘクタールでタマネギ栽培を開始、今では8ヘクタールの畑でタマネギを栽培している。

 栽培と並行し、タマネギの6次化も進めてきた。商品には、南相馬市で毎年7月末に行われる伝統の祭り「相馬野馬追」の要素をどうしても入れたかったという。関東出身の豊田さんは、初めて野馬追を見たときの騎馬武者の迫力に圧倒され、もっと多くの人に野馬追を知ってもらいたい、見てもらいたいと感じながら、その野馬追が行われる会場で南相馬らしさを感じる食べものが少ないことに目を付け、何か特色あるものをつくりたいと考えるようになった。

 野馬追から食べものの発想につなげられるものはないかと考案していたところ、「野馬土手」の存在を知った。江戸時代に野馬追は、野馬追原と呼ばれる馬牧で行われており、馬が逃げないよう23キロにわたる土手を築いていたという。この「野馬土手」をヒントに、ご飯を土手に見立て、カレーと主役であるタマネギが丸ごと1個入った「野馬土手カレー」が誕生した。味はピリリとサンショウが利いて和風でスパイシーだが、タマネギの甘みでまろやかになり、クセになる味だ。価格は、大盛(800円)、並盛(600円)、小盛(500円)。それぞれに、総大将(大盛)、軍師(並盛)、御小人(小盛)と、野馬追の役職にまつわる名前を付けた。カレーを通じて野馬追を知ってほしいと、パッケージの裏側には野馬追のびょうぶ絵も印刷し、野馬追について紹介している。

 現在は同所での出店をメインに、南相馬鹿島サービスエリア(南相馬市鹿島区小山田)にも出店しているが、市外での出店も考えている。販売日時や場所についてはフェイスブックページで確認できる。

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