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いわきの津波被災地・久之浜で防災イベント 静岡出身の大学生が呼びかけ

「いわき市地域防災交流センター 久之浜・大久ふれあい館」前で説明する杉本さん(右)

「いわき市地域防災交流センター 久之浜・大久ふれあい館」前で説明する杉本さん(右)

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 いわき市の津波被災地の一つである久之浜で7月26日、静岡県出身の大学生・杉本亘さんが主催する「浜太郎と歩こう―久ノ浜防災イベント」が開催された。老若男女の町民ら約15人が参加。同町の商業施設「浜風きらら」から、津波避難ビルに指定されている「久之浜・大久(おおひさ)ふれあい館」まで約5分の距離を、模擬避難訓練としてゆるキャラ「浜太郎」を誘導しながら歩いた。

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 杉本さんは静岡県立大学に通う、消防士を目指す大学生。6月末から1カ月間、いわき市のまちづくりNPO・TATAKIAGE Japanがコーディネートする、復興庁の「復興創生インターン」として、同市久之浜の「浜風きらら」が杉本さんを受け入れ、同町に滞在しながら防災を学んだ。2011年の東日本大震災で、津波と地震に伴う火災で甚大な被害を受けた久之浜地区は、支所と公民館を併設した「いわき市地域防災交流センター久之浜・大久ふれあい館」を「津波避難ビル」としたり、防潮堤の背後に防災緑地を造ったりと、非常に防災に特化したまちづくりだと杉本さんは感じた。

 だがせっかくの施設や町の設計が、初めて訪れる人には分かりづらいのではと感じた杉本さんは、外部から来た自分の視点で同町の防災情報をウェブ上でまとめたり、ゆるキャラ「浜太郎」が避難経路を歩く動画を作ったりするなどした成果物を町民に披露。同町で災害が起きた際に、「町の人たちが訪れている人たちを導いてほしい、防災情報を広めてほしい」と訴えた。

 イベントに参加した町民からは「自宅にいる際にはどこに避難するか分かっているが、外出先では避難先が変わるので、防災情報を改めて確認できたことは良かった」という声が聞かれた。杉本さんは「ゆるキャラで避難経路を歩いてみたことで、体の不自由な人やお年寄りの疑似体験ができたのはいい経験。自分が去っても、作った動画などで町の人が楽しみながら防災を伝えてもらえたら」と期待する。

 杉本さんが作成したウェブや動画は、「浜風きらら」のホームページでアーカイブされる。

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