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福島県鮫川村の米ぬかでつくる「使い捨てない」カイロ アパレルメーカーとコラボ

「ヌカモフ」を身に着ける、山燕庵(さんえんあん)の杉原さん(右)と70seedsスタッフ。

「ヌカモフ」を身に着ける、山燕庵(さんえんあん)の杉原さん(右)と70seedsスタッフ。

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農業法人「山燕庵(さんえんあん)」(鮫川村)で生産される米から出た米ぬかで作った使い捨てないカイロ「ヌカモフ」が、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で先行販売される。東京のアパレルメーカー「オールユアーズ」(東京都世田谷区)、ウェブサイト「70seeds」(東京都江東区)、岩手県の福祉実験ユニット「ヘラルボニー」(岩手県花巻市)と共同開発した。

「山燕庵」代表の杉原晋一さんが、同農園の加工商品の一つとして発案した同商品。自然のぬくもりや匂いを感じながら、心身共に温まることを目指した「ヌカモフ」は、電子レンジでコップ半分の水と一緒に2分程度温めるだけで、約30分間、温かさが持続する。素材は、本来捨てるはずの「山燕庵」の米ぬかと、「オールユアーズ」の毛布のようなスエット素材端切れを利用し、「使い捨てない」「自然にやさしい」ことにこだわる。

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杉原さんは神奈川県川崎市の出身。首都圏ながら、自宅での家庭菜園をはじめ、周辺も畑や果樹園の多い自然豊かな地域に育った。東京のIT企業に就職したが、多忙のため体調を崩してしまった時期に、父親が福島県鮫川村で始めていた、自然農法にこだわった米作りを手伝うように。体調を崩したことで、一番大事にしたいのは自然と身体にやさしいものだという思いに原点回帰したという。

だが2011年の東日本大震災の影響で、福島県鮫川村で生産していた山燕庵の米は、直販先を一気に失う。独自に厳しい検査基準を設け、その基準値を超える米は無かったものの、風評被害の影響は大きく、石川県にも農地を設けて生産を続けるとともに加工商品にも力を入れることになった。

その中で開発された商品の一つが、米ぬかを使ったカイロ。米ぬかを温めて使うことは元々、いろいろな地域の農家で用いられていた民間療法の一つだが、杉原さんはそれを商品化することに目を付けた。「素材を大事にすること」「手に取りやすいデザイン」をテーマに作ったぬか袋カイロ「ぬくぬくのぬか」は、特に冷え性や生理痛の重い女性から好評を得た。

昨年8月、同商品PRのため渋谷ヒカリエで開催されたイベントに出店した際、主催者から「70seeds」を紹介され、新商品の開発が始まった。同商品をベースに「都会ではたらく人を癒やす」というコンセプトの下、「ヌカモフ」が生まれた。杉原さんは「私自身も都会での仕事に疲れを感じていたので、同じ思いを抱えている人たちにオフィスにいながらにして、自然のぬくもりを感じながら癒やされてほしい」と商品に込めた思いを語る。

先行販売のクラウドファンディングでは、「ヌカモフ」本体の予約販売に加え、山燕庵で生産された新米や甘酒の販売、開発メンバーがサポーターの元を訪問する権利など、ユニークなリターンを用意している。1月15日23時59分まで受け付けている。

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