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双葉町の盆唄を伝えるドキュメンタリー映画「盆唄」公開 いわきで生演奏も

2018テレコムスタッフ

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 福島県双葉町の盆唄を継承する姿を追ったドキュメンタリー映画「盆唄」が2月15日、公開される。「ナビィの恋」「ホテル・ハイビスカス」などの作品で知られる中江裕司監督が2015年から約3年をかけて撮影した。

映画「盆唄」ポスター

 同作品は、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故で全町民約7000人が今も全国各地に避難している双葉町に伝わる盆唄を継承しようとする町民の姿を記録したもの。双葉町の盆唄を、ハワイ・マウイ島の日系移民に伝える姿、盆唄のルーツとなった「相馬移民」の言い伝えをアニメーションで描き、日本全国に避難する双葉盆唄の担い手が集まり「やぐらの共演」を復活させる姿、という3つのストーリーで構成されている。映画全編に流れるのは、盆唄を残すことに込めた町民たちの故郷への強い思いだ。

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 企画したのは、ハワイの盆踊り「ボンダンス」を長年取材してきた写真家の岩根愛さん。ボンダンスは、約100年前に国策でハワイに移住した日系移民が歌い継いできたもの。その中に、福島からの日系移民が残し、今も踊られている「フクシマオンド」があることを知り、現地の太鼓チーム「マウイ太鼓」と双葉町の創作太鼓チーム「標葉(しねは)せんだん太鼓保存会」会長の横山久勝さんらをつないだ。映画の前半は、ハワイで100年以上にわたって忠実に継承され、日本以上に盛り上がるフクシマオンドを体験した横山さんらが、国内での継承が難しい双葉盆唄を、ハワイで継承できないかと思い至り、仲間を伴ってハワイの日系移民たちに双葉盆唄を伝える姿を映し出す。

 映画の後半では、帰国した横山さんらが、震災前に双葉町で行われていた、地区ごとの盆唄をやぐらの上で交代で演奏する「やぐらの共演」を復活させる姿を描く。双葉町からやぐらを持ち出す映像や、やぐらの共演の中に挿入される映像では、現在の双葉町の様子も映し出される。今でも許可のない立ち入りができない双葉町が、震災後7年以上たった今、どのようになっているのかを垣間見ることができる部分だが、過去の写真などを重ねることにより、悲惨さではなく清浄な姿を映し出している。

 中江監督は「これは震災の映画ではなく、震災で避難した『人間の映画』」であるとし、「双葉町の人たちを3年間撮影してきて、それぞれの営み、生きていることの勇気をもらった。それを次世代につなぎ、未来に向けたメッセージにしたい」とも。やぐらの共演と、そこからつながるラストシーンに、特にその思いが込められている。

 まちポレいわき(いわき市平字白銀町1)、フォーラム福島(福島市)、テアトル新宿(東京都新宿区)ほかで2月15日から順次、全国公開。上映館はホームページで確認できる。17日にはまちポレいわきで10時5分の回の上映後、12時20分ごろから舞台あいさつと盆唄の生演奏を行う。上映時間は134分、盆唄の演奏は20分ほどを予定。

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