今年で4回目となる「ふくしま復興塾」(主催=ふくしま復興塾実行委員会、共催=いわき市)の最終発表会が2月4日、いわき産業創造館(いわき市平字田町)で開催される。昨年の第3期までは郡山市で行われており、いわき市内での開催は初となる。
同塾は、福島県出身の経営者を中心とした発起人の呼び掛けの下、2013年、主に若手社会人を対象として開講した。発起人には、「ぴあ」社長の矢内廣さん(いわき市出身)や「さくら中央税理士法人」いわき中央事務所代表の木幡仁一さん(同)らが名を連ね講義などを担当する。卒業生には「夜明け市場」取締役の松本丈(たけし)さん(同、2013年度グランプリ受賞)や島田眼科医院院長の島田頼於奈(れおな)さん(同、2014年度準グランプリ受賞)がいる。
同塾では、約半年間のプログラムで講義やグループワークを行うことに加え、塾生がそれぞれ関心を持つ分野において地域課題を発見・分析し、その解決策を立案。卒業後、立案した解決策の実現に向けて活動を始める。
企業経営者や行政職員、NPO職員ら、さまざまな立場から地域に関わる塾生が集まっている同塾。塾生からは「日常生活や業務で関わることのない経営者らと議論をすることで刺激になる」(行政職員)などの声が聞かれる。
企画・運営を担当する「ふくしまチャレンジはじめっぺ」の佐藤達則さんは「昨年度の第3期までは中通り地区で開催してきたが、年々浜通りから通って来る塾生が増えてきていた。特に双葉郡の避難指示の解除が進みつつあった2015年度は、半数程度の塾生が浜通りの地域課題解決に取り組んだ。そのため、本年度は初のいわきでの開催を決めたが、いわきや双葉郡には地域をより良くしようと真剣に行動する人が多く、そのような人たちをみんなで応援する風土もあることに驚いている。『復興期』が終わりつつある今だからこそ、残っている地域の課題に取り組む人を一人でも多く輩出したい」と話す。
発表する塾生8人のテーマは以下(発表順)。「地域でピカイチな介護事業所を増やしたい!~介護人材確保を目指す 心のボーナスプロジェクト~」=鯨岡栄一郎さん、「子どもの貧困問題へのアプローチ」=田口悦子さん、「福声project」=添田拓郎さん、「福島田んぼアートプロジェクト」=市川英樹さん、「いわきを情報の力で幸せにする」=山根麻衣子さん、「ふくしま日本酒.nom 福島の日本酒をもっとみんなで楽しみたい! 」=山崎和子さん、「福島の学生を育てる 福島の事業家を助ける アケハナ(つ)プロジェクト」=加藤郁生さん、「乗合ジャンボタクシーよつくら~地域のプレーヤーが一丸となり、高齢者に利便性の高い移動手段を提供する~」=熊田誠さん。
最終発表会は13時~18時、いわき産業創造館企画展示ホール(いわき駅ビルLATOV6階)で行う。参加無料。塾生の発表のほか、ポスターセッションでの意見交換会も予定。詳細と申し込み方法はホームページで確認できる。