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Iwakiピンクリボンスマイルカフェ 「不安な思いを分かち合える場に」

Iwakiピンクリボン発起人の4人。左から、立原めぐみさん、石河美奈さん、代表の宍戸亜由美さん、長瀬理恵さん

Iwakiピンクリボン発起人の4人。左から、立原めぐみさん、石河美奈さん、代表の宍戸亜由美さん、長瀬理恵さん

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 いわきのレンタルスペース「Studio AXY(スタジオアクシー)」(いわき市平字堂ノ前)で2月26日、「Iwakiピンクリボン Smile Cafe IV」が開催される。主催は「Iwakiピンクリボン」。

IwakiピンクリボンSmile Cafe この看板を目印に

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 「家族にもなかなか打ち明けられない思いを話せる場にできたら」――同団体代表の宍戸亜由美さんは、自身の経験からこの場への思いを語る。ピンクリボン=乳がん検査の普及啓発運動というだけではなく、いわきの女性が元気になれる場所、病気になっても夢を実現したいという女性を応援する場所を目指し、同イベントを運営している。

 宍戸さんは当事者として同団体に関わる。病気の兆候を感じたのは2015年。当時は夫の仕事でタイに滞在しており、数カ月後には帰国する予定があったため検査を先延ばしにした。検査では非常に進行した状態と診断された。脱毛を伴う抗がん剤治療、放射線治療、片方の乳房を全摘出する手術を行い、現在も治療中だ。「家族に病気を告げるとき、家族が悲しむ姿を見るのは本当に辛かった。でも今は子どもたちが大きくなるまでは頑張らなくてはと思うし、普段と変わらずに接してくれている家族が支えになっている」と宍戸さん。「今思えば、もっと早く検査を受けられるタイミングはあった。早期発見できれば副作用の強い薬を使わずに治療出来たと思うし、(乳房)温存という形で手術も軽度で済んだだろう。少しでも不安に思ったらぜひ検査に行ってほしい」と早めの検査を勧める。

 2016年度現在、いわき市内で乳がん検査を受診できる医療機関は12カ所で、詳細は市が発行している「保健のしおり」で確認できる。

 同団体は昨年夏、宍戸さんが、「以前教えていたフラダンスをまた教えてみたい」と同イベントの会場であるレンタルスペース「Studio AXY」を訪ねたことから始まった。乳がんの治療を続けながらも、自分の夢を実現させたいという宍戸さんの思いに賛同したのはスタジオオーナーの長瀬理恵さん、長瀬さんの友人でチアダンス講師の石河美奈さん、FMいわきなどでパーソナリティーを務める立原めぐみさん。宍戸さんを代表に、メンバー4人で同年秋に「Iwakiピンクリボン」を立ち上げ、いわき市内で活動を始めた。

 「初めはメンバーの家族、知人しか集まらなかった」という同イベントも、回数を重ねるごとに参加者が増え、1月に開催した第3回には15人が参加。乳がん検査の結果待ちで不安な思いを抱えている人や気になっているけど検査へ一歩踏み出せない人、乳がん検診の大切さを広めたいと活動している人などが集まった。参加者からは「抱えている不安を解消できる場を求めていた」との声が聞かれ、メンバーも「広がりができてきて、やってて良かったと感じる」と笑顔を見せる。

 当日は、立原さんのアロマプログラム、石河さんのチアと宍戸さんのフラダンスを取り入れたエクササイズ、旬のフルーツでつくるスムージーの提供、パワーストーンでのアクセサリー作りなど、同団体メンバーのスキルを生かし、女性や子供連れでも楽しめるプログラムを数多く用意する。参加の敷居を低くし、純粋にイベントを楽しむ中で、「ピンクリボン」活動への理解や「打ち明けられない思いを共有するきっかけにしてほしい」という同団体の思いを込めた。

 宍戸さんは「病気への不安を一人で抱えていると、どんどん沈んで外に出られなくなってしまう。イベントに参加することで、そうした人を少しでも減らすことができたら」と参加を呼び掛ける。

 開催時間は13時~16時(途中入退場自由)。参加無料。申し込み不要。一部プログラムは材料費500円が必要。

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