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いわきで希少フルーツ「フェイジョア」が収穫期に スイーツ商品もヒット

収穫期を迎えたフェイジョア

収穫期を迎えたフェイジョア

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 いわき市小川町の農園「楽・農・人ゆうゆうファーム」(いわき市小川町塩田)で、日本での生産が珍しいフルーツ「フェイジョア」の収穫時期を迎えた。

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 フェイジョアは南米原産のフトモモ科のフルーツ。主な生産地はニュージーランドで、現地ではエキゾチックな花も親しまれている。同ファームの丸山雄三さんは1996年、銀婚式の記念に訪れたニュージーランドで、その花に魅了された。「日本でも育てられないだろうか。どんな実がなるんだろう」。帰国後、フェイジョアについて熱心に調べる中、実際に食べる機会を得た丸山さんは、今まで食べたことのないその味に強く引かれたという。

 フェイジョアを日本で栽培する夢をかなえるため、長年勤務した企業を中途退社。2003年、埼玉県熊谷市から、フェイジョア栽培と田舎暮らしの両立できるいわき市に移り住んだ。試行錯誤の末2007年、30本からはじめたフェイジョアの木は今や300本に。同ファームは日本初のフェイジョア農園となり、現在でも日本唯一のフェイジョアに特化した生産者として親子3人で生産を続けている。

 大きさはキウイフルーツ程度、卵型でやわらかいグリーン色のフェイジョアは、食べ頃を迎えるにつれ独特の甘い香りが強まってくる。滑らかなクリーム色の果肉のなかに四つ葉のクローバーの形に似たゼリー状の部分があり、食感、芳醇(ほうじゅん)さ、酸味と甘みの交わり――どれを取ってもほかのフルーツとは似ていないオンリーワンの存在だ。収穫の方法も独特で、果実の下から軽く手でたたき、落ちたものだけを収穫する「タッチピック」という方法が採られている。こうすることで食べ頃の実を傷つけることなく収穫できるという。

 同ファームのフェイジョアは、毎年予約販売している(6個入り税込3,000円~)ほか、いわき市のふるさと納税の返礼品としても選ぶことができる(今年分は終了)。すでに来年の予約も入っている。加工品も人気で、ジャム、生ドーナツ、マカロンのほか、今年5月から販売している「きんつば」は半年で5,000個を売るヒット商品に。丸山さんは「フェイジョアの実は保存が利かないが、ぜひ多くの人に味わってもらいたいと思い、加工品にも力を入れている。新商品も試作中なので楽しみにしていてほしい」と意欲的だ。

 加工商品はゆうゆうファームをはじめ、いわき駅ビル内の「いわきみやげ処 菓匠庵」、「食と農の体験ファーム『ワンダーファーム』」(いわき市四倉)などで販売しているほか、ゆうゆうファームのオンラインショップでも購入可能。

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