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福島県楢葉町に日本最大規模のサツマイモ倉庫完成 1200トン超貯蔵可

楢葉町甘藷貯蔵施設前の畑で、サツマイモを収穫した参加者たちの笑顔

楢葉町甘藷貯蔵施設前の畑で、サツマイモを収穫した参加者たちの笑顔

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 福島県楢葉町に同町で生産されたサツマイモを熟成・保存するための「楢葉町甘藷(かんしょ)貯蔵施設」(楢葉町前原浜城)が完成し、10月14日、完成記念セレモニーが行われ、松本幸英楢葉町長をはじめ町、農業関係者など約200人が出席した。

貯蔵施設内の様子

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 楢葉町では、耕作放棄地の活用と原発事故により避難した住民の帰還を促すため、2017(平成29)年、サツマイモの試験栽培を開始。サツマイモスイーツ専門店「らぽっぽ」などを運営し、サツマイモの製造販売を手掛ける「白ハト食品工業」(大阪府守口市)の現地法人「福島白はとファーム」が町民から農地を借り上げ、初年度は1.5ヘクタールをサツマイモ畑として運用。2018(平成30)年には本格栽培を始め、今年は42ヘクタールまで拡大。地元中学校にも畑を作り、生産したサツマイモで中学生と共に商品開発なども手掛けている。

 貯蔵施設の総面積は4700平方メートル。315平方メートルの貯蔵庫が4室あり、最大1260トンを貯蔵できる。同町で生産のサツマイモは収穫後約2カ月施設で熟成され、セブン-イレブン、ファミリーマート、イオンなどで販売される大学芋などに加工され、販売される。

 セレモニーのため同町を訪れた同社の永尾俊一社長は「規模としては日本一、クオリティーとしては世界一のサツマイモの貯蔵施設が福島県楢葉町にできた。これをスタートに、楢葉を世界一のクオリティーのサツマイモ産地にしていくよう努力を続ける」と意気込みを見せた。施設完成に合わせ、同町に移住した同社の社員らも「(サツマイモ栽培を通して)楢葉に笑顔を届けたい」と決意を語った。松本町長は「倉庫ができたこれからが大事。来年度は生産者組合を立ち上げ、サツマイモはもちろん、農業全体のボトムアップを目指す」と地元との連携を強めていく考えを示した。

 セレモニー後、施設内見学、施設前の約1ヘクタールのサツマイモ畑で収穫体験が行われ、地元住民や地主、サツマイモオーナーなど約100人がサツマイモ掘りを楽しんだ。学校でサツマイモを研究しているという隣町の中学校生徒は「楢葉町でサツマイモの栽培をしているという話は聞いていたが、実際に来て(サツマイモ掘りや貯蔵庫の見学など)いろいろと実感し、学ぶことができて良かった」と興奮気味に話していた。

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