いわきの水族館「アクアマリンふくしま」(いわき市小名浜辰巳町)で3月3日、「テオ・ヤンセン展inふくしま2018」が始まった。東北での展示は初となる。
テオ・ヤンセンさんはオランダのキネティックアーティスト。キネティックアートとは動く美術作品のことで、ヤンセンさんが1990年に制作を始めた「ストランド・ビースト」は、プラスチックチューブの骨格を持ち、ペットボトルなどに風を吸収し動く巨大なアート作品。ヤンセンさんによると、作品名はオランダ語で砂を意味する「ストランド」と、生命体を意味する「ビースト」をつなげた造語で、風などの自然エネルギーを原動力として海水の水位上昇から砂浜を守る人口生命体だという。今回は13体が来日。展示作品のほか、実際に触って動かすことのできる作品もある。
オープニングセレモニーにはヤンセンさんが登場。実際に被災地を訪問したヤンセンさんは「7年前に福島で起こったことを直接見て、今の福島の力強い海に感銘を受けた。復活を遂げようとしているこのような地に自分の作品を展示できることはハッピーだ」と語った。作品を動かすデモンストレーションでも、ヤンセンさん自身が作品を紹介。「実際に手で触って遊んで楽しんでほしい」という言葉を受け、実際に作品に触れた来場者は、その生き物のような動きを楽しんだ。
実行委員長の福島ガイナックス・浅尾芳宣さんは「ヤンセンさんの作品には、テクノロジーとDNAが組み込まれている。テクノロジーとアートが融合した作品は、これからの新しい福島の未来の発信に重なる」と、福島での同展開催の思いを力強く語った。
水族館の入館料のみで観覧できる。「ストランド・ビースト」のデモンストレーションの時間は、同館エントランスに掲示する。開館時間は9時~17時(3月21日以降は9時~17時30分、5月3日~6日のみ9時~19時)。5月6日まで。